ル・コルビュジエって絵も書いてた。まさかのカンディンスキーとのつながり。
ル・コルビュジエ。国立西洋美術館を建築した人。
手掛けた建築作品は文化遺産として17件登録。近代建築の重要人物。
そんな彼に着目した展覧会に足を運んできました。ル・コルビュジエの1930年-1935年時の展示会です。お友達に誘われたのです。
建築の分野は、あんまりわからない。ですが、一つ気になることがありました。
ホームページ見ると、建築ではなく変な絵がありました。なぜ、ピカソみたいな絵を描いているのだろうか、と。
ロンシャン礼拝堂の模型。
こちらはル・コルビジェが建築したロンシャン礼拝堂です。
これは会場に模型がありました。事前に建物がイメージできると、模型だとどんな感じかつかみやすいと思ったので写真張りました!
あと、私自身ロンシャン礼拝堂は訪れたことないので、photolibraryさんから写真を購入して使ってます。
こもし、また模型を見る機会があるのなら、窓を見たいですね。不思議な窓配置が気になりました。
写真で見ると、教会内部への光の差し込みかたが目新しい感じしました。
いきなり貝。そして、ピカソみたいな(キュビスム的な)絵。
会場に入るとまず目にするのは貝。
おっと、これは想定外。私は建築かキュビスムを想定していました。寿司屋に入ったのに、うどんやラーメンがある感じです。
作品として並ぶのは、貝殻のスケッチ、写真や貝殻のような丸みを帯びたオブジェクト。ロッテアーモンドチョコレートみたいな形です。
当時ル・コルビュジエは建築家として活動していました。それをしながら、作品を作っていました。要は二足のわらじです。
キャプションは難しい表現は使われてました。まとめると貝殻よくね!ってル・コルビュジエは感じてたらしいです。ちなみに、湾の近くに住んでたらしいとのこと。
少し歴史的なところを追ってみます。パナソニック汐留美術館のHPの説明です。
1929年の世界恐慌はそれまでの機械万能主義から自然科学的関心へと価値観を転換させ1
ル・コルビジェもそれに影響を受けていたとのこと。
たった一文ですが、すんなり私は入りませんでした。笑
世界恐慌。アメリカの影響を受けて世界的に不景気になっている時代。
お金がないってことですね。.....それと機械から自然に価値観が変わるってのはどうつながるんだろう。うーん。わからん。
ル・コルビュジエの作風は1930年前後で変化しており、もともとの作風はピュリスムと呼ばれています。幾何学的な図形※で構成されています。
一方、展覧会につくと看板にもなっている「マッチ箱と二人の女」。
ピュリスムの時とは変わって、ピカソみたいな書き方で、二人の人がいて丸みをもって絵がかれています。
ここで、幾何学的な図形(=人工的なもの)で表現されていないのがポイントです。
また、人の顔の近くにある茶色っぽいものが貝と思わせ、自然界にあるものを描いていることがわかります。
それらを踏まえると、自然科学的関心がわかる、と。
実際絵をみてみると、人が丸みを帯びたのはわかります。しかし、人の上に貝が描かれているかはわかりませんでした。
頭にフランスパンやヘビみたいなものが載ってるようにみえました笑。
※自然には存在しない形。例えば円とか。なので、左右対称バランスのとれた完全な円(=正円)は人工的に作られたものとされる。
カンディンスキーも登場
展覧会の後半の部分には、ル・コルビュジエの絵画とカンディンスキーの絵画がおいてある部屋がありました。
唐突なカンディンスキー。どんな関連があるのか。
カンディンスキーは抽象画で有名な画家です。
キャプションには「ル・コルビュジエとカンディンスキーは、あらゆるものが振動し、感覚的な体験がシームレスに溶け合う世界を思い描いていた」と書かれていました。
彼らは 「色彩が聞こえ、建築が聞こえる現実を想像した」 らしいです。
写真禁止だったので言葉をメモしたものになります。でも、正直なところ全く共通点が分からない。
説明では 「彼らは音楽と絵画、建築がつながる世界を思い描いていた」 とのこと。
カンディンスキーはまだ分かります。絵に音符っぽいモチーフが出てくるから。
最初、彼の絵をみたとき、音楽関連のバックグラウンドがある人なのかと思いました。
ただ、実際は数学教師でした。どこから音楽が出てきたのか、相変わらず謎です。が、感覚を表したものといわれれば、そうなのかーという感じです。自分にはピント来てないのが正直なところです。
一方のル・コルビュジエはどうなのか。
同室に飾られていたのは「アコーディオンに合わせて踊る女性」。人は相変わらずピカソっぽく表現されています。
絵のなかに、白黒が鍵盤っぽく並んでいる箇所。音符っぽい形がみれます。こういう表現が 「音響的」なのでしょうか。
そもそも、音楽と絵画、建築はどのように繋がるのかわからない。
また、彼らの「音楽と絵画、建築がつながる世界観」ってどんな感覚なんだろう?
キャプションには 「音響的」 という言葉はどういう意味なのか。
結局、この展覧会は自分にとって何だったのか?
うーん。わからんってのが感想です。
ただ、気になったものを言語化したり、考えを巡らせることで、あとからじわじわおもしろくなってきました。
絵をみて感性を楽しむというよりも、歴史を知りながらアーティストの人となりをとらえていく楽しさでした!
あとは、キャプションはおもしろかったです。ル・コルビュジエの感覚を言語化したような表現がたくさんありました。
「音響的」、「詩的環境」。もはや、絵画や建築とどのようにつながるのか文面からだけはとてもわかりません。
ただ、もしも「音楽、詩、絵画、建築がつながる世界観がある」というものがあるのだとしたら、彼らの目指していた表現も少わかります。それが今回の諸芸術の綜合なのかもしれません。
自分の感覚の再発見や自分の世界観を再構築する楽しさを味わえた展示会でした!